第4回(事例)確認テスト

Welcome to your 2023 神戸学院大学 第4回確認テスト(事例)

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問1

16歳の男子A、高校1年生。Aはスクールカウンセラーである公認心理師Bのいる相談室に来室した。Aは、「自分は発達障害だと思う。インターネットで調べてみると、自閉症スペクトラム障害に当てはまるところが多かった。でも病院に行くのは怖いので、ここで診断をして欲しい」「家族には分かってもらえないと思うので、話していない」と話した。BがAに日常生活における具体的な行動について尋ねていく中で、自閉症スペクトラム障害の可能性が疑われるとBも感じている。

BがAにまず伝えることとして、最も適切なものを1つ選べ。

問2

28歳の男性A、会社員。Aは人見知りで、初対面の人と話すときは緊張する性格である。入社後は開発部に所属していたが、異動に伴い営業部に配属された。営業先を1人で担当するようになり、早朝覚醒、抑うつ気分により欠勤が増えた。心療内科を受診し、Aはうつ病の診断を受け、6か月前から休職している。現在は主治医の投薬治療により、睡眠、抑うつ気分も軽快した。主治医からも職場復帰が可能との診断書が提出され、職場復帰に向けて事業場内産業保健スタッフである公認心理師Bと面接を行うこととなった。

このときのBの対応として、最も適切なものを1つ選べ。

問3

28歳の女性A、会社員。Aは社内の相談室を訪れ、公認心理師Bと面談した。面談でAは「入社時から面倒をみてくれていた先輩の男性Cから交際の申し出を受けたが、それを断ってから必要な情報を伝達してくれないなど無視されるようになった」「最近はそれが少しマシになって先輩と同僚で雑談ができるようになった」「今思うと私の断り方も素っ気なかったし、避けられても仕方なかったかな」「私の思いをCにちゃんと伝え直した方がいいかもしれない」「自分の気持ちを整理したかったので、面談を続けてもらうだけで大丈夫です」と話した。

この時点でのBの対応として、最も適切なものを1つ選べ。

問4

16歳の女子A、高校1年生。Aは高校から帰宅途中のバスに乗車中、突然めまいがして心臓の鼓動が速くなった。Aは「心臓発作で死んでしまうのではないか」「このバスから出られなくなるのではないか」と感じたが、その日は帰宅できた。しかし、次の日からバスに乗ろうとすると「今度こそ心臓発作で死ぬかもしれない」「気を失ってしまうに違いない」と考えるようになり、外出もできなくなった。Aが心配した母親に連れられて精神科クリニックを受診したところ、主治医からパニック障害の診断を受けた。主治医から院内の公認心理師Bに心理支援の依頼があり、インテーク面接を行うことになった。

このときのBの対応として、適切なものを2つ選べ。

問5

16歳の女性A、高校1年生。Aは担任教師Bに勧められ、スクールカウンセラーCのもとを訪れた。BからCは「最近気分がふさいでいるようで、元気がない。話を聴いてあげてほしい」と聞いた。面談でAは「もう学校とかどうでもいいんです。私の人生なんかなくなってもいい。最近は死にたいとばかり考えているんです」「家族には言わないでほしい」と話した。

このときのCの対応として、最も優先されるべきものを1つ選べ。

問6

37歳の男性A、会社員。今年度よりAは勤務する部署の係長に昇進した。係長になり、他部署との会議や会社の経営陣へのプレゼンを行う機会が多くなり、その度に緊張が高まり、発汗しハンカチが手放せなくなった。会社の食堂で同僚や部下と昼食をとる際に、周囲の目が怖くなり、手が震えるようになったため、1人で食事をするようになった。最近では、仕事にも集中できず、寝つきも悪くなり、欠勤することが増えるようになったため、上司の勧めで精神科を受診した。

主治医からAの状態をアセスメントするように依頼された公認心理師が、Aに実施するテストバッテリーに含めるものとして、適切なものを2つ選べ。

問7

65歳の男性A。Aは整形外科で腰痛の治療を受けている以外に身体疾患はない。起床時間は日によって異なるが、朝食を取らないことは共通している。日常的に1日1箱はタバコを吸っている。寝る直前に熱いお風呂に浸かり、午後8時には床に就くが、ここ半年ほど寝つきが悪くなる。また、寝ているときに大きないびきをしていると妻Bに起こされ、日中も眠くなることが増えた。疲労感も強くなってきたため、心療内科を受診したところ、診察した医師は薬物療法を保留し、院内の公認心理師Bに心理的支援を指示した。

BのAへの睡眠衛生指導上の助言として、適切なものを2つ選べ。

問8

52歳の男性A、会社員。Aは、建設会社の現場スタッフとして長年勤務している。会社が大規模な工事の受注を受け、2か月前からAはその現場のリーダーを任されたことで、徐々に休日出勤や早朝、深夜の時間外労働が増えている。前月から疲労感が強く、夜も眠れなくなり、仕事への集中力も低下しているため、健康管理室に来室し、公認心理師Bと面談した。疲労蓄積度自己診断チェックリストでは疲労の蓄積が認められた。前月の時間外労働は約80時間であった。

BのAへの初期の対応として、最も適切なもの1つを選べ。

問9

13歳の女子A、中学1年生。Aは、担任教師Bにリストカットをしていると話した。BはAの同意を得てAの母親Cに伝えると、Cが今後の対応について、スクールカウンセラーに相談することになった。

このときのスクールカウンセラーのCへの助言として、適切なものを2つ選べ。

問10

14歳の男子A、中学2年生。Aはこれまでほとんど学校を欠席することがなかったが2年生の1学期の後半から週に2~3日欠席するようになった。担任教師Bは心配してAに声をかけていたが、Aは2学期が始まってから学校に全く登校しなくなった。Bは1か月ほど電話連絡や家庭訪問を繰り返したが、保護者と電話がつながらないことも多く、Aと全く出会えない。対応に困ったBはスクールカウンセラーCに相談した。

CのBへの助言として、最も適切なものを1つ選べ。

問11

17歳の女性A、高校2年生。Aは自分の性格について悩んでおり、高校のスクールカウンセラーである公認心理師Bに相談をした。Bとの面談でAは「自分の性格はとても臆病でうじうじしている」「新しいことにチャレンジするときも、もし失敗したら、と色々考えてしまって、一歩を踏み出すことができない」と話した。それに対してBは「あなたはとても慎重で、堅実な性格なんですね」とAに伝えた。

BのAへの応答を説明する概念として、最も適切なものを1つ選べ。

問12 

10歳の女子A、小学4年生。Aは、休み時間は一人でいることを好み、絵を描いたり本を読んだりして過ごし、クラスメイトとの関わりがほとんどない。ある日、図工の時間、金槌を使う場面で、担任教師がグループで金槌を共有するよう指示したが、Aは「自分一人で使える金槌がほしい」と訴えた。しかし、本数に限りがあったため、金槌を渡してもらえず、Aは教室を飛び出してしまった。その後、学校へ登校すること自体を嫌がるようになった。Aの両親がAのことを理解したいと心理相談室を訪ねてきた。
Aの心理特性について見立てるための心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。

問13

30歳の女性A。Aは夫B、長男C(7歳、小学1年生)との三人暮らしである。AはBからの暴言や暴力がエスカレートし、Cへも向けられるようになったことで母子の身の危険を感じている。これまでAは仕事をしておらず、経済的な心配もあり、離婚後の生活のことを考えると不安で行動に移せなかったが、配偶者暴力相談支援センターに経済面の支援や新しい生活に向けての相談をすることにした。

センター勤務の公認心理師の助言として、最も適切なものを1つ選べ。

問14

14歳の男子A、中学2年生。Aはこれまでほとんど学校を欠席することがなかったが2年生の1学期の後半から週に2~3日欠席するようになった。担任教師Bは心配してAに声をかけていたが、Aは2学期が始まってから学校に全く登校しなくなった。Bは1か月ほど電話連絡や家庭訪問を繰り返したが、保護者と電話がつながらないことも多く、Aと全く出会えない。対応に困ったBはスクールカウンセラーCに相談した。

CのBへの助言として、最も適切なものを1つ選べ。

問15

72歳の女性A。Aはこれまで趣味のサークルに参加するなど活発だったが、最近は外出が減り、家でテレビを観て過ごすことが増えた。家事は問題なくできているが、うっかり予定を忘れることや物を無くすことが多くなり、心配した娘に連れられて医療機関を受診した。医師の指示により公認心理師が心理検査を実施したところ、SDSは25点、HDS-Rは19点であった。

Aの評価として、最も適切なものを1つ選べ。

問16

77歳の女性A。Aは69歳のときに脳卒中で入院。そのとき主治医から「脳の深い部分を流れている細い血管が詰まっている」「直径15mm以下の非常に小さな梗塞が細い血管に生じている」と説明を受けた。その後、Aは緩やかに認知症症状が進んだため、心配した家族がAを連れて認知症外来に受診した。その結果、Aは脳卒中を原因とした血管性認知症の診断を受けた。
この血管性認知症として、最も適切なものを1つ選べ。

問17

27歳の女性A、会社員。Aは人と話すのが苦手で、特に最近は人との関わりを極端に避けるようになった。仕事にも支障をきたすようになったため、心療内科を受診した。主治医から社交不安症/社交不安障害〈SAD〉の診断を受けた。院内の公認心理師Bに、主治医からAの心理的支援が依頼された。Aは「うまく話さなければと思うと、言葉が出てこなくなる。周りの人たちは変な人だと思っているに違いない。」と話した。それに対してBは「うまく話せないことについて、変だと思う以外に別の考えはあるでしょうか?」と尋ねた。

BのAに対する応答を説明する概念として、最も適切なものを1つ選べ。

問18

71歳の女性A。昨年、Aは夫と死別し落ち込んだ様子を見せていた。3か月前に同居している長男の妻BにAが「私の財布を返して」と訴えた。BはAの財布は触っておらず、身に覚えがないと言ったがAが聞き入れず、口論となった。心配した長男がAを連れて、認知症外来に受診した。主治医の指示のもと院内の公認心理師がClinical Dementia Rating〈CDR〉を実施した。判定内容は、記憶スコア1、見当識スコア2、判断力と問題解決スコア2、地域社会活動スコア2、家庭生活および趣味・関心スコア0.5、介護状況スコア0または0.5であった。

Clinical Dementia Rating〈CDR〉の判定として、最も適切なものを1つ選べ。

問19

7歳の女児A、小学1年生。Aは出生後から呼吸や哺乳の障害がみられ、3歳を過ぎた頃から食欲が抑えられず、母親が見ていない隙にお菓子を食べたりすることがある。言葉の発達が遅く、知的発達の遅れを医師から指摘されている。幼児期から人なつっこい性格がみられるようになったが、最近は頑固さがみられるようになり、同級生とトラブルになってしまうこともある。Aの両親は、Aの出生後間もなくの時期に、医師から「染色体異常症を原因として発症すると考えられている」と説明を受けている。

Aが受けている診断名として、最も適切なものを1つ選べ。

問20

19歳の女性A、大学生。Aは半年前から朝が起きにくくなったり、気分が落ち込むようになったりしていて、趣味の演劇鑑賞にも関心を示さなくなった。2か月前からは頭痛、動悸が生じるようになっている。アルバイトでもこれまでにはなかったミスを度々してしまい、1か月に辞めてしまった。先日Aが「自分には生きている価値がない」と言っているのを聞いた家族が心配し、Aを連れて心療内科を受診した。Aは主治医よりうつ病と診断され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉の投与が開始された。

今後、Aに生じうる副作用として、特に留意しておくものを1つ選べ。

問21

9歳の女児A、小学3年生。Aは授業中に周囲に話しかけてしまい、他児の学習を妨害することがあり、母親BがAを連れて病院の発達外来を受診した。公認心理師CがWISC-Ⅳ知能検査を実施した。CはBに「Aはこれまでの経験から積み上げられた知識に関する知能が最も高かったです。この知能は、これまでの経験だけでなく、これまでどんなことを学んだのかといった文化的な影響によって作り上げられるもので、言葉の能力、言語的な理解力とも関係が強い知能です」と説明した。

CがBに説明した知能として、最も適切なものを1つ選べ。

問22

68歳の男性A。Aは3年前にAlzheimer型認知症と診断された。現在は37歳の長女Bと同居している。Aは以前、仕事で子ども向けの音楽教室の講師をしていたこともあり、週に2回はデイサービスに通い、レクリエーションでは歌の伴奏をしている。それ以外の日は、近所の人や民生委員がAの家に訪問してくれて、話し相手をしてくれている。最近、Aは昼ご飯を食べたことを忘れたり、施設で自分の荷物を置いた場所が分からなくなり困惑したりすることが多くなった。

国際生活機能分類〈ICF〉によるAの生活状況や状態の捉え方として、最も適切なものを1つ選べ。

問23

11歳の男子A、小学5年生。Aは幼少期から手先の不器用さがあり、工作が苦手である。算数の図形問題が苦手で、他の教科の学習にも遅れがみられる。Aの母親Bが「学習障害ではないか」と心配し、Aを連れて相談機関へ来談した。公認心理師がAとBの同意を得て、WISC-Ⅳを実施した。結果、FSIQ 105、VCI 103、PRI 77、WMI 118、PSI 89であった。各指標において下位検査間に有意差はなく、4つの指標とも単一指標で解釈できるものである。

Aの検査結果の解釈として、正しいものを1つ選べ。

問24

87歳の女性A。Aは3年前に夫が亡くなってから一人暮らしをしている。1年前にAlzheimer型認知症と診断され、要介護1の認定を受けた。1か月前に自宅前で転倒し、大腿骨を骨折し、入院した。現在は退院に向けてリハビリを行っている。遠方に住んでいる息子夫婦Bは、退院後は施設に入所することを望んでいるが、Aは自宅で生活したいと言っている。Aを担当するケアマネージャーは退院後の支援内容を検討する必要性を感じたため、地域包括支援センターで検討することになった。

地域包括支援センターの対応として、最も適切なものを1つ選べ。

問25

74歳の女性A。Aは特別養護老人ホームに入居している。Aの担当介護士Bが他の入居者から「Aが廊下を歩き回りとてもうるさい。静かに過ごすことができないのでとても迷惑をしている」と苦情を受けた。そのため、Bは夜間にAが自室から出ないようベッドに柵をし、部屋を施錠した。それ以降、他の入居者からの苦情はない。巡回している公認心理師は、定期的に行われている施設内のケースカンファレンスの場で、Aに関する状況とBの対応について報告を受けた。

このときの公認心理師の対応として、最も適切なものを1つ選べ。

問26

29歳の女性A、スーパー勤務。出勤後、店長がAの顔のあざと不自然に足を引いている姿に気づく。事情を聞くも「少し転んじゃって」と詳しい事情は語られない。心配した店長に連れられて総合病院を受診した。Aの外傷について、主治医はDVの可能性を疑い、院内の公認心理師Bに心理支援を依頼した。Bとの面談でAは「婚約中の男性Cに一緒に住み始めてから暴力を受けている。今回は首を絞められ意識も失った」「Cがギャンブルで負けて帰ってきたとき、物を投げられたり、蹴られたりすることが多い」「ここで話したことがCに知られないか心配」と語った。他にも「でも『俺が悪かった』とすごく優しくしてくれる」「私が勤務している会社が倒産して路頭に迷っていたところを助けてもらった」「元々は穏やかで優しい人」「どうにかしたいけど、どうしようもない」と泣きながら語った。
このときのBの対応として、最も適切なものを1つ選べ。

問27

中学生A~Eがいる。Aは同じ学校の生徒同士がけんかとなり、双方が相手を殴った。Bはクラスメイトに脅し文句や嫌なことを言った。Cは遊びやふざけを装って、特定の生徒の首を絞めた。Dは部活動中に下級生に対して指導と称して足を蹴った。Eは双方が顔見知りで別々の学校に在籍する生徒と口論となり、けがには至らなかったが、相手の身体を突き飛ばした。

生徒間暴力の定義に当てはまらないものを1つ選べ。

問28

24歳の女性A。Aは大学在学中に精神科を受診し統合失調症の診断を受け、薬物療法を中心とした通院治療を受けていた。大学は卒業したものの就職はせず、自宅での生活を送っていたが、症状が悪化し入院治療を受けることになった。症状が比較的安定したため、Aは主治医に「人と関わることは苦手であるが、将来的には就職したい」と相談した。Aは主治医の提案で、退院して通院治療を継続しながら、精神科デイケアに通うことになった。

精神科デイケアのスタッフの一員である公認心理師がAに行う対応として、不適切なものを1つ選べ。

問29

13歳の男子A、中学1年生。Aは同級生から言われたことを字義通りに捉えたり、思ったままに言ったりしてしまうことがあり、トラブルになることが多い。また、急な予定変更に対応することができないこともある。心配になった保護者はAを連れて地域の発達支援センターに来談した。WISC-Ⅳ知能検査はFSIQ は100、VCIは93、PRIは113、WMIは88、PSIは104であった。4つの指標は下位検査間に有意差が出なかったため全て単一指標として解釈することができた。日本版Vineland-Ⅱの標準得点は、コミュニケーション領域69、日常生活スキル領域89、社会性領域71であった。CARS2日本語版ではCARS2-HFを実施し合計得点(粗点)は29であった。

Aの評価として、不適切なものを1つ選べ。

問30

13歳の男子A、中学1年生。Aは実父Bと祖母Cの三人暮らしである。Aが3歳のときに両親が離婚し、実父Bに引き取られた。Bは仕事でほとんど家にいないため、Aは主に祖母に育てられた。中学校に進学後、友人関係の幅が広がり、上級生の不良グループと深夜徘徊を繰り返し、補導されたため、Aは少年サポートセンターで公認心理師Dの面談を受けることになった。面談でAは「Bに対しては何も思わないけど、Cにはここまで育ててくれたので悪いと思っている」「先輩からの誘いを断ったこともある」「友達や先輩と一緒にいるのは楽しいけど、このままではいけないとも思う」などと話した。

動機づけ面接におけるDの応答として、不適切なものを1つ選べ。

問31

17歳の女子A、県内の進学校に通う高校2年生。Aは両親と三人暮らしである。Aは担任教師に勧められ、スクールカウンセラーBのもとを訪れた。面談でAは「親は仲が悪くよくケンカをしている。2人とも仕事が忙しくて私のことは二の次だった。でも、勉強のことになるとうるさく言ってくる。2年生になって、大学受験も近づいてきて親から『遊んでいる時間はない』とよく言われて、家は落ち着いて過ごせない。私なりに必死に頑張ってきたけど、親が求めているような成績が取れない。生きている自信がなくなって『死にたい』と思うようになった。昨日もその気持ちが強くなってしまい、いつまで生きていられるか自分でも分からない」と語った。

Bの対応として、不適切なものを1つ選べ。

問32

34歳の男性A、会社員。1年前に主任に昇格したが、業務が多忙で残業が増え、疲労感が強くなっていった。慢性的な不眠や不安感、疲労感があり、心療内科を受診したところ、抑うつ状態と診断され、休職することになった。6か月間の休職後、Aから職場復帰の希望があり、主治医からも職場復帰可能の診断書が提出されたため、事業場内産業保健スタッフBがAの復職に向けて対応することになった。

Bの対応として、不適切なものを1つ選べ。

問33

7歳の男児A、小学1年生。Aの母親Bは担任教師から「休み時間に一人で誰とも遊ばない」「学校では全く話をしない」と聞き、Aを連れて小児科を受診し、公認心理師がインテーク面接を担当した。Bによると、Aは言葉の遅れはないものの、幼児期から手先の運動が不器用で、他者への関心が低く一人での電車遊びを好み、集団生活への適応に苦労している。2年前に次男が生まれたときAは「ぼ、ぼ、ぼくは」など言葉の出だしを繰り返して話すことが多くなった。Bは「みんなに笑われるよ」とAに発音の練習をさせてきたが効果はない。

Aに関する見立てとして、不適切なものを1つ選べ。

問34

36歳の男性A、公認心理師。Aが住んでいる都市の近隣のある地域で豪雨により河川が氾濫し大規模な水害が発生し、死傷者が多数発生した。発災一週間後、Aはこころのケアチームの一員として、被災者支援のために被災地に向かうことになった。

心理的応急処置〈サイコロジカル・ファーストエイド〉に基づいたAの被災者への支援として、不適切なものを1つ選べ。

問35

31歳の男性A、会社員。Aの妻Bが疲れ切った様子で大学附属の心理臨床センターに相談に訪れた。Aは大学生のときから毎日飲酒していた。2年前に部署が変わり、残業が増えた頃から飲酒量が特に増えた。次第に、Aは二日酔いで仕事に遅刻したり、無断欠勤したりする日が出てくるようになった。休日は朝から飲酒し、Bがやめるよう言うと、そのときは一旦飲まなくなるが、目を離すとすぐに飲み始めてしまう。部屋に散乱した缶や瓶はBが片付けている。Aは「自分は病気ではない。お酒が好きなだけだ」と言い、医療機関への受診を拒絶している。

公認心理師のBへの対応として、不適切なものを1つ選べ

問36

新しい英語の学習法の効果について実験を行った。新しい学習法と従来の学習法でそれぞれ学習を行い、学習後のテストの点数を指標として検討した。仮説1は、新しい英語の学習法で学習した群は、従来の学習法で学習した群よりもテストの点数が高くなる。仮説2は、新しい英語の学習法は、元々の英語の成績が高かった群(以下「高成績群」と表記)よりも英語の成績が低かった群(以下「低成績群」と表記)の方が効果が高い。実験の結果、高成績群は低成績群と比較して有意に点数が高かったが、全体として新しい学習法で学習した群と従来の学習法で学習した群との点数には有意差は見られなかった。また、高成績群では学習条件間で差が見られなかったが、低成績群では、新しい英語の学習法で学習した群は従来の方法で学習した群よりも有意に点数が高かった。

この実験の結果の理解として、正しいものを1つ選べ。

問37

35歳の男性A、公認心理師。Aが勤める会社は50人以上の従業員が働いている。昨年度から企業内に心理相談室が設置され、Aはそこで勤務している。また、Aは事業者からストレスチェックの実施者にも選定されており、今年もストレスチェックを実施することになった。

ストレスチェック制度におけるAの役割として、不適切なものを1つ選べ。

問38

29歳の女性A。Aは大学卒業後、就職したものの人間関係がうまくいかず、半年で退職した。その後は特に仕事やアルバイトに就くこともなく、家事手伝いをしている。1年前から家族が地域にあるひきこもり地域支援センターに訪れ、相談をしてきた。半年前からAも相談員である公認心理師Bの訪問支援を受けるようになり、Aは家族と外出する機会が増えた。Bの訪問支援の際にAは「そろそろ仕事を始めた方がいいと思うけど自信がない」「自分ではどうしたらいいか分からない」と語った。

この時点のBの対応として、最も適切なものを1つ選べ。

問39

19歳の女性A、大学1年生。Aは、高校卒業までは問題なく生活を送っていた。Aは一人暮らしで昼夜逆転の生活になっており、ほとんど授業に出席できていないという主訴で学生相談室に来室し、公認心理師Bがインテーク面接を担当した。Aは午前中に目覚めることもあるが、ひどい頭痛のために起き上がれず、一日中ベッドで過ごすことも少なくない。何事にも気力がわかず、食事は十分に取っておらず部屋は散らかったままである。家族には心配をかけないよう、授業に出ていると嘘をついているという。

BのAへのインテーク面接における対応として、最も適切なものを1つ選べ。

問40

14歳の男子、中学2年生。Aの母親BがスクールカウンセラーCに相談に訪れた。Aは中学1年生の2学期から全く登校していない。家ではインターネットゲームをしている時間が多く、昼夜逆転の生活を送っている。Bが学校や勉強のこと、生活リズムを直すように伝えてもAの反応はなく、聞く耳をもたない。食欲はあり、ご飯は残さず食べる。家族で外出する際にはついてくることもある。学校の友人とは携帯電話で話したりしており、休日には遊びに行くこともある。Bは「この生活が1年生から続いている。生活リズムを直して、少しでも学校に行ってほしい」「高校に行けるか不安」とCに話した。

このときのCの対応として、最も優先度が高いものを1つ選べ。

問41

22歳の女性A、大学4年生。Aは人間関係が苦手で友人と呼べる存在がいない。就職活動では同じような職種を数社受けたものの不採用が続いている。Aは大学のキャリア相談で「自分のやりたいことを理解してくれる会社がない」と話したところ、相談員から「こだわりが強すぎる」と言われた。1か月前からAは気分が落ち込み、眠れない日々が続いているため、心療内科を受診した。BDI-Ⅱの得点は24点、CARS2-HFは30点、AQ-Jの得点は34点であった。

Aに関する見立てとして、適切なものを2つ選べ。

問42

15歳の男子A、中学3年生。Aは学習をする際に、学習内容をすでに知っていることと結びつけて学ぼうとしたり、カテゴリーに分けて覚えたり理解したりして勉強をしている。また、ある事柄に対する考えの根拠とともに、その事柄に対する別の考えやその考えの根拠を検討したりして、新たな見方を得ようと学習をしたりしている。

Aが用いている学習方略として、適切なものを2つ選べ。

問43

62歳の女性A。Aは長年の喫煙歴がある。Aは総合病院の呼吸器科で息切れや慢性的な咳やたんの症状があり、慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉と診断されたため、院内の禁煙外来で公認心理師Bのカウンセリングを受けることになった。カウンセリングでAは「タバコをやめないといけないのは分かっている。でも習慣だからつい吸ってしまう。減らそうとは思っているけどなかなか難しい」と語った。

Aの行動変容の段階を考慮したBの対応として、適切なものを2つ選べ。

問44

60歳の男性A。Aは2年前に妻が亡くなってから一人暮らしである。1年ほど前から気分の落ち込みや便秘、立ちくらみが起こるようになり、近所に住んでいる長女Bが心配して頻繁に泊まりに来てくれている。ある日Bに「お父さん、夜中に楽しそうに笑ってたけど起きてたの?」と言われたが、Aは、昨晩は早く寝て、楽しい夢を見ていたことしか記憶にない。またBに「お父さん、私が言ったこと聞いてた?」「最近、ぼーっとしてること多いよ」と言われ、気になったAが専門の医療機関を受診したところ、AはLewy小体型認知症と診断された。

Aに認められている症状として、正しいものを2つ選べ。

問45

42歳の女性A、会社員。Aは独身で両親と一緒に暮らしている。Aは8か月前に新年度を迎え、労働環境や人間関係が大きく変化し、職場での不適応感を訴えて精神科を受診した。昔から心配性と言われることが多く、今年度になり色々なことに不安を強く感じるようになり、とても疲れやすく感じる。仕事で失敗したり、失業したりするのではないかと心配で仕方がない。自分でも心配しすぎだと分かってはいるが、いらいらし両親にきつい言い方をしてしまったり、仕事にも集中できない。心配な気持ちから寝つきが悪く、しばしば早朝に覚醒してしまうこともある。

医師からAの状態をアセスメントするよう依頼された公認心理師が、Aに実施するテストバッテリーに含めるものとして、適切なものを2つ選べ。

問46

8歳の男児A、小学2年生。Aは母親Bと二人暮らしである。担任教師CはBとは二者懇談のときに一度話をしたことがある程度で、仕事で忙しくなかなか連絡がつながらない。最近、Aが家の前で一人で座りこんでいたり、Aの家でBが大声で怒鳴りつけている声が夜間に聞こえると近隣住民から学校に連絡が入った。Cは対応をスクールカウンセラーに相談した。

スクールカウンセラーのCへの対応として、優先度が高いものを2つ選べ。

問47

47歳の男性A、会社員。Aは、朝の起床後に入浴していた。なかなか浴室から出てこないAを心配した家族が見に行くと、脳梗塞により浴室でAが倒れていた。すぐに救急車で病院に運ばれたが、元々心疾患があったことや発見が遅かったこともあり、意識不明の重体の状態が現在まで2か月続いている。病院ではAの家族を含め医師や公認心理師らが連携をとり、医療・ケアチームを構成し今後の方針を検討している。

Aの医療・ケアの方針の決定手続について、適切なものを2つ選べ。

問48

12歳の男児A、小学6年生。Aは小学入学時から特別支援学級に在籍している。Aの中学校入学を控え、特別支援教育の必要性の評価のため、近隣の発達支援センターで公認心理師がKABC-Ⅱを実施した。結果、認知総合尺度は112、習得総合尺度は85であった。認知尺度に関しては、継次尺度99、同時尺度109、計画尺度90、学習尺度122であった。習得尺度に関しては、語彙尺度108、読み尺度69、書き尺度71、算数尺度98であった。

検査所見より示唆されるものとして、適切なものを2つ選べ。

問49

10歳の男児A、小学4年生。Aへの対応に困った担任教師BがスクールカウンセラーCに相談した。Bによれば、Aは授業中に落ち着いて座っていることが難しく、立ち歩いてしまうことが多い。A以外にも学級の複数の児童が授業中に私語をしている。Bが注意するとA以外の児童は聞いているときもあるがAは気にしていない様子である。Aの保護者によると、Aは家庭では特に問題なく学習に取り組んでおり、成績も優秀である。

Cの初期の対応として、適切なものを2つ選べ。

問50

11歳の男児A、小学5年生。Aの 3つ上の姉Bは私立の有名中学校に通い、学年でもトップクラスの成績である。教育熱心な父親CはAにもBと同じ中学校を受験させようと考えている。Cは、テストの点数が悪かったAに対して「お前のような勉強ができない子は、うちの子ではない」「家から出て行け」と繰り返し怒鳴った。次第に、CはAに「こんな成績ではBと同じ中学校には行けない」「小学校も行かなくていい」と言い、Aの気持ちに反して学校に登校させていない。

両親の行為は虐待種別の何に当たるか、適切なものを2つ選べ。